NHK「3月11日のマーラー」

NHK「3月11日のマーラー」 番組案内より

 東日本大震災から1年の節目を迎えるにあたり、NHK・民放各局では、さまざまな視点、切り口から、“2011年3月11日”を検証し、被災地の復興の状況や今後に向けた問題提起などを含んだ特別番組を企画している。NHKが3月10日(土)に放送する『3.11のマーラー』(後11:00~深0:00総合)は、地震が発生した“昨年3月11日の夜”を再現する異色のドキュメンタリー。

あの日、あの時、被災地から遠く離れた東京都墨田区のすみだトリフォニーホールでは、午後7時15分過ぎから予定通りクラシックの演奏会が行われていた。

 イギリスの人気の指揮者、ダニエル・ハーディング(36)を迎えての新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会。その日、同ホールの1800の客席は立錐の余地なく埋まるはずだった。しかし、当日午後2時46分、東北・関東地方で地震が発生。そのあまりにも強い地震は東京都内を大混乱へと陥れた。

 すべての交通機関はストップし、電話もつながらない。観客はもちろん、新日本フィルの団員も会場にたどりつけるのか。家族と連絡がつかないまま演奏に集中できるのか。生まれて初めて地震に遭遇し、余震がたびたび起こる中で、ハーディングは恐怖を乗り越え、指揮台に立つことができるのか。

 開演時間までに集まった観客はわずか105人。それでも舞台の幕は上がった。演奏されたのは、マーラー「交響曲第5番」。葬送行進曲に始まり、壮大なフィナーレに至る70分の演奏会。悲しみ、愛情、希望、心からの深い感情が込められた音の結晶となったマーラー交響曲第5番は、人々の記憶に深く刻まれる名演奏となった。

 演奏後、ハーディングが語ったのは、「この日を境にして、音楽に対する考え方が変わりました。これからそれを永遠に深めていくことになるでしょう。私の中ではマーラーの交響曲第5番イコール3月11日として刻まれています」。たまたま記録されていたこの日の映像と音楽、後から取材した当事者の証言と併せて、3月11日の奇跡の夜を再現する。

3月10日(土)後 11:00~深0:00 総合「3.11のマーラー」

(ここまで)


3月10日の深夜放送。
数多くの震災報道の中で一際異色を放つ。

震災以降、数多くの音楽家の方が「音楽をやる意味」について悩んだという話をテレビやネットなどで発信している。
私のようなアマチュアの楽器弾きだって、それについて考えたことくらいあります。
この番組にその「意味」についての答えの一つが見えるようだ。
もちろん賛否両論があるのは分かってはいるけれど、私個人的にはNHKだからこそのすばらしい番組だと思った。

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